予防歯科とは何か

予防歯科とは、虫歯や歯周病などの口腔内のトラブルを未然に防ぐための取り組みを指します。従来の歯科治療は、虫歯や歯周病になってから治療を行う「対処療法」が中心でしたが、近年では、病気になってから治療するのではなく、そもそも病気にならないようにするための「予防」の重要性がますます認識されるようになってきました。口腔内の健康を維持することは、全身の健康にも大きく関わっており、生涯にわたって自分の歯で美味しく食事を楽しみ、健康的な生活を送るためには、予防歯科への意識的な取り組みが不可欠です。

予防歯科では

① そもそも虫歯や歯周病にならない
② 治療したところを長持ちさせる
が目的です。

そのためには自覚症状がなくても定期的な検診をして歯石や汚れをクリーニングすることや虫歯や歯周病のリスクが高い場所を把握してご自身でメンテナンスができるようにすることが大切です。
どんなに精密な治療を行ってもご自身でのメンテナンスができなければお口の中の状態はいずれ更に悪化します。治療にかけたお金と時間を無駄にしないためにも予防することが重要です。

予防歯科で得られるその他のメリット

  • 口臭予防
  • 全身の健康維持
  • 糖尿病などの生活習慣病の予防や改善

※当院では予防歯科を保険治療のルールに則って保険の範囲で行なっております。

歯のクリーニング

歯科衛生士による専門的な歯のクリーニングは、毎日のブラッシングでは落としきれない汚れや歯石、バイオフィルム(細菌の塊)を除去し、虫歯や歯周病の予防に効果的です。歯の表面を滑らかにすることで、新たな汚れが付着しにくくなるメリットもあります。

PMTCの効果

PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)は、専用の器具と研磨剤を用いて歯の表面を徹底的に清掃する処置です。歯の着色汚れ(ステイン)を除去し、本来の白さを取り戻すだけでなく、歯垢やバイオフィルムを効果的に除去することで虫歯や歯周病のリスクを低減します。また、フッ素の浸透を高め、歯質を強化する効果も期待できます。

ブラッシング指導

ブラッシング指導では、歯並びや口腔内の状態に合わせた適切な歯ブラシの持ち方、動かし方、磨く順番など、一人ひとりに合ったブラッシング方法を指導します。毎日のセルフケアの質を高めることで、虫歯や歯周病の予防に繋がります。歯ブラシだけでは磨き残しがちな歯間ブラシやデンタルフロスの使い方についても丁寧に指導いたします。

定期検診の重要性

定期検診では、虫歯や歯周病の早期発見・早期治療だけでなく、歯のクリーニングやフッ素塗布などの予防処置を受けることができます。健康な歯を維持するためには、定期的な検診が不可欠です。一般的には、3ヶ月~6ヶ月に一度の受診が推奨されています。

自宅での予防歯科

毎日のブラッシング

ブラッシングは、虫歯や歯周病予防の基本です。正しいブラッシング方法を身につけることで、プラークを効果的に除去し、健康な歯を保つことができます。

歯磨き粉の選び方

歯磨き粉を選ぶ際には、フッ素配合のものを選びましょう。フッ素は歯のエナメル質を強化し、虫歯になりにくくする効果があります。低研磨性の歯磨き粉は、歯の表面を傷つけにくく、歯茎への負担も軽減できます。また、歯周病予防には、歯肉炎・歯周炎予防効果のある成分が含まれた歯磨き粉がおすすめです。知覚過敏の方は、硝酸カリウムなどの成分配合の歯磨き粉を選ぶと良いでしょう。

食生活の改善

糖分の摂取を控えることは、虫歯予防の基本です。間食の回数や時間を減らし、ダラダラ食べを避けましょう。キシリトールガムは、唾液の分泌を促進し、プラークの付着を抑制する効果があります。また、食物繊維やカルシウム、リンなどのミネラルを多く含む食品は、歯の健康に良い影響を与えます。具体的には、野菜、果物、乳製品、魚介類などがおすすめです。

唾液の分泌を促す食べ物

唾液には、お口の中を清潔に保ち、虫歯菌の増殖を抑える効果があります。唾液の分泌を促すためには、よく噛んで食べることを意識しましょう。ガムを噛んだり、梅干しやレモンなどの酸っぱいものを摂取するのも効果的です。また、水分をこまめに摂取することも重要です。昆布やきのこなど、食物繊維を多く含む食品も唾液の分泌を促します。

予防歯科で得られるメリット

予防歯科の最も大きなメリットは、虫歯や歯周病を予防できることです。毎日のブラッシングに加え、歯科医院でのプロフェッショナルケアを受けることで、プラークや歯石の付着を抑制し、虫歯や歯周病のリスクを大幅に減らすことができます。特に、歯周病は自覚症状が現れにくいため、定期的な検診と予防処置が重要です。歯周病は、糖尿病や心臓病、脳卒中など、全身の健康にも影響を及ぼすことが知られています。予防歯科によって歯周病を予防することは、これらの全身疾患のリスクを軽減することにも繋がります。

口臭予防

口臭の原因の多くは、口の中に残った食べカスやプラークに繁殖する細菌です。予防歯科では、プロによるクリーニングやブラッシング指導によって、口内環境を清潔に保ち、口臭を予防することができます。舌苔の除去も口臭予防に効果的です。

全身の健康維持

歯周病菌が血管に入り込むと、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などのリスクを高めることが報告されています。また、妊婦の場合は、早産や低体重児出産のリスクを高める可能性も指摘されています。予防歯科によって歯周病を予防することは、全身の健康維持にも繋がります。

糖尿病などの生活習慣病予防

歯周病と糖尿病は相互に悪影響を及ぼすことが知られています。歯周病を予防することで、糖尿病の悪化を防ぎ、より良い血糖コントロールを維持することができます。また、歯周病は、肺炎や誤嚥性肺炎のリスクを高める要因の一つでもあります。高齢者の場合、誤嚥性肺炎は命に関わることもあるため、予防歯科による口腔ケアは非常に重要です。